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オンラインカジノの利用者の負債の平均額は、2000万円を超えるといいます。18日、規制を強化するための改正法が成立したなか、「news zero」はオンラインカジノでギャンブル依存症になった男性に話を聞きました。
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https://news.ntv.co.jp/category/society/d8f209a2508943dca1fe9600edae318b
◇
男性
「金銭的な底つきっていうよりかは、精神的な底つきでもう苦しくて苦しくて」
「news zero」が話を聞いたのは、およそ5年前からオンラインカジノを利用していたという男性。
――オンラインカジノが違法であることは当時、知っていましたか?
男性
「先輩に教えてもらった時は、違法とか全然分かってなかったです。ただちょっとちゅうちょはしましたかね、なんか怪しいなっていう」
オンラインカジノを始める際、違法だという認識はもっていなかったといいます。そもそも、オンラインカジノに日本国内からアクセスして、賭博を行うことは全て犯罪にあたります。
男性
「やっぱ、どこでもできちゃうんですよね、家の中で。僕の場合は仕事中でもやっていたので。一時期やめられた期間も、もちろんあるんですけど、結局はずっとやり続けてしまって。当時は奥さんと子どもが同居していて、ギャンブルやってる時っていうのは、本当にうそにまみれた日常生活で」
負けた金額はどんどん膨らみ、2日で500万円を失ったこともあったということです。消費者金融だけでなく友人や家族からも金を借りるようになり、妻と子どもが家を出て行ったこともあったといいます。
男性
「本当に申し訳ないことをしたなってその時は思っていたが、そこから結局3年間もずっとやり続けることになって。借金も作るし、家族もいないし、本当に1人で孤独で、でもやめたいと思いながらもやめられなくて」
ギャンブル依存症と診断され、いまは回復施設に入っているということです。
本人だけでなく家族の生活にも影響を与えてしまうオンラインカジノ。今年に入り、タレントやプロ野球選手らが書類送検されるなど社会問題にもなっています。このオンラインカジノをめぐって新たな動きが。
18日、オンラインカジノの規制を強化するための改正法が、参議院本会議で可決・成立しました。
改正法では、オンラインカジノサイトやアプリの開設、運営を違法とするほか、オンラインカジノに誘導する広告やSNSでの宣伝の投稿も違法になります。これにより、SNS事業者などに削除を要請できるようになり、広告や宣伝が減少するなどの効果が見込まれています。
また、オンラインカジノが違法であることを周知していくことも盛り込まれていて、警察庁はコンサート会場や映画館で啓発動画を流すなどの取り組みを強化しています。
18日夜に横浜市で行われていたコンサートでは、開演前にアナウンスがありました。
アナウンス
「警察庁からのお知らせです。オンラインカジノは犯罪です。オンラインカジノの利用は絶対にやめましょう」
さらに、警察庁がYouTubeで公開しているオンラインカジノに対する注意喚起の動画が流れていました。
啓発動画を見た人(25)
「オンラインカジノでしたっけ。なんか注意はありました、『違法です』という」
――ライブの前に流れるのはどう?
啓発動画を見た人(25)
「若干の違和感はあったけど、それだけいま多発してるのかなって。ドキッとするかもしれないので、個人的にはありかなと。『何だろう』って思わず聞いてしまった部分もあるので、意外なところの方がむしろ周知しやすいのかなと」
啓発動画を見た人(29)
「(オンラインカジノは)だめだというのはもちろん認識していたけど、ライブの場で改めて言われることで好きな人から言われているような、推しから言われているような気持ちで改めて気をつけたいなって」
法改正によるオンラインカジノの規制強化。元夫がオンラインカジノでギャンブル依存症になったという女性に話を聞きました。
元夫がギャンブル依存症になった女性(40代)
「私が夫のギャンブルの問題に気がついたのは、いまから4年前の2021年6月だったんですけど、その時に銀行口座の使い込みがあってそこで気がつきました。預貯金がなくなっていたことでびっくりしたんですが、いつやっていたのか全く分からない状態」
元夫は上場企業の役員を務め、普段は理性的なタイプだったといいます。
女性
「ギャンブルは止まらなくて、私のブランド品や子どもの貯金を勝手に使ってしまって、どんどん借金が膨らんでいく状態。夫はもうギャンブルをやれないなら死にたいという状態になってしまった。借金額が1000万円を超えていて、マンションがあったが、マンションを売らなければいけない状態まで追い込まれていました」
その後、病院や施設に通わせるなどサポートを続けたものの改善は見られず、一緒に生活するのが難しくなったといいます。
女性
「私はもう夫と暮らすのが怖くて仕方なくなった。私は結局、離婚してしまったんですけど、すごくいま思ってもつらいです」
当事者らを支援する団体の代表に、規制強化の動きについて話を聞きました。
ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子代表
「まず第一歩が出たなっていう感じだと思います。海外のオンラインカジノを駆逐していくことがこれから大切」
――オンラインカジノの相談はどれくらいの年代の人が多い?
ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子代表
「もういまは本当にギャンブルの相談はどんどん若くなっていって、20代・30代がメインですね。オンラインのギャンブルは、オンラインカジノ含めスマホ1台でできる。依存症になるまでの期間がものすごく短い」
ギャンブル依存症問題を考える会によると、オンラインカジノ利用者の借金額は平均で2000万円を超えるなど、金銭的な負担の大きさも目立ってきているといいます。
ギャンブル依存症問題を考える会 田中紀子代表
「もちろんギャンブルなので、それによってもうかる・稼げるというものでは全くないです。必ずユーザーの方が負けるようになっています」
オンラインカジノの影響で人生が大きく変わってしまったという当事者ら2人がいま、伝えたいことは…
元夫がギャンブル依存症になった女性(40代)
「若い子たち、中学生・高校生・大学生が知らないうちに手を出してしまうのが問題。私たちの人生は一変しました。なのでこういう家族を増やしたくないです。私も本当に体を壊したし、こんなふうにみんな生きてほしくないので、ぜひ教育もそうですし、本当に根絶したいと思っています」
過去にオンラインカジノを利用していた男性
「負けるスピードも速いし、トータルして詰むスピードも速いですよね、人生を詰んじゃうスピードも。だから、本当に絶対、手を出してはいけないと思います」
◇
『news zero』水曜パートナーを務める俳優の板垣李光人さんに受け止めを聞きました。
板垣李光人さん
「スマホでできてしまうので、家でも電車でも手軽にできる。そうすると、かける額もどんどん大きくなっていってしまうのかなと思います。僕は注意喚起としての広告画面を見たことがあるのですが、一見するとゲームと見間違うかのようなかわいらしい感じだったので、10代の若者などが手を出さないように法律による規制の強化で歯止めがかかることに期待したいです」
藤井貴彦キャスター
「これまで、オンラインカジノの利用者には、違法だと知らなかった人も一定数いましたが、今回の規制強化を含めてその言い訳は完全に通用しなくなります」
「一方で、ギャンブル依存症とオンラインカジノの違法性は別にして考えるもので、もし、ギャンブル依存症であれば、治療と支援が必要です。周りの人が気づけた場合には、ぜひ専門家に相談するよう強く勧めてあげてください」
(2025年6月18日放送「news zero」より)
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